ICU

ICUの、少し周りから外れた奥まった場所に娘はいました。

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 娘の周りには数人の看護師さんやお医者さん。体にはたくさんの管がつけられた状態で、娘はベッドに寝かされていました。

私たちが近づくと、娘は麻酔から覚めていたようで、かすれたか細い声で泣きながら、必死でこちらに手を伸ばします。

その様子を目の当たりにして、やっと私にも手術が終わったのだという実感が湧きました。

そしてその姿があまりに痛々しく見え、不安で怖くてしかたなくて必死で泣いているのに、抱っこもしてあげられないことへの辛さと、手術が無事に終わったことへの安心感とで心はパニック状態でした。

私はとにかく娘の頭を撫で、手を握り、泣きながら「大丈夫、泣かないで、大丈夫だから」と繰り返し声をかけました。

娘は両手を抱っこの姿勢にし、必死で「よいちょ!」(私が抱っこするときの口癖)、外を指差しながら「ち!」(あっち行きたいの意味)などと言ってきますが何もしてあげられません。

 

しばらくそうやって声をかけた後、落ち着いた頃合いに、先生から手術後の詳しい説明を受けました。

(手術後に摘出した患部を見せられるとか、よく噂かなんかで聞いたことがあったのですが、この時はデジカメ越しに見せられただけでした。実際、娘から取り出した内臓の一部を直に見せられるのはちょっと精神的にきつかったので、こちらの方がありがたかったのですが。)

 

それから、娘は痛み止めの影響でウトウトしたり、泣いたりを繰り返すので、しばらくはそばで見守っていました。

落ち着いた様子を確認してから、夫と私は一旦個室に戻り、待機している義両親と、そして私の親には電話で、娘は無事だということを報告します。

その後落ち着く暇もなく、ICUから娘さんが泣き止みません!というヘルプが来たために、娘の元に駆け戻ります。

基本面会時間30分のICUに、結局一時間以上付き添って娘をなだめました。

 

とにもかくにもどうにか寝かしつけ、部屋に戻った頃にはとにかく異常なくらいお腹が空いていました。気がついたらもう何時間も何も食べていませんでした。

 

食事をとり、夫が1人家に帰宅するころには全身クタクタです。横にはなりますが、どうにも上手く眠れません。

携帯を見ながら起きていたところ、ICUから再度呼び出しがきました。

またきっと泣き喚いて困らせたのだろうと急いで向かうと、娘は私を見て小さな声で一瞬泣きましたが、すぐに口を一文字にぎゅっと結んでぷるぷる震えて我慢しています。

担当の看護師さん曰く、夜の間は泣くこともなく、ずっとこんな調子で1人で必死に耐えていたようで、その姿があまりに可哀想だったので私を呼んでくださったそう。

娘が泣かなかったのは何かしらの痛み止めなどの薬の影響だったのかもしれませんが、確かに娘は今まで見たことの無いような様子でした。

それでも持ってきたおもちゃで娘の気をひくと反応してくれたので、そのまま少し一緒に遊び、寝かしつけてから個室に戻りました。

 

少し眠って早朝、ICUからまた呼び出しがあり、娘の元へ行くと、昨夜とは一転がっつり泣いてます。

私が声をかけるとどうにか泣きやみましたが、完全に覚醒してしまった今、私が離れればまた泣き続けるだろうと思い、結局処置して個室に戻れるようになれる午後までずっと、ICUにてあやし続けることになりました。

 

娘がICUを出て個室に戻り、夫と私の三人きりになると、娘は安心したのかおとなしく眠り始めます。

そんな娘の寝顔を見ながら、これでやっと安心して入院生活を送れるのかな・・・などと、この時は思っていました。

しかし、そんな予想とは一転、この日からまたしばらく別のあることに悩まされることになるのです。

 

次からは入院生活について振り返ります。